12月2日から「健康保険証」の新規発行が停止となり、マイナンバーカードに保険証を一体化する「マイナ保険証」への移行が本格化します。市役所ではマイナンバーカードの申請が増える一方、医療現場ではメリットとともに課題が見え始めています。<東部総局 竹川知佳記者>
「昼すぎの沼津市役所です。こちら。マイナンバーカードに関する窓口ですが、手続きに訪れた人でいっぱいです」
<市役所の窓口>
「それではお写真を撮っていきます。ここにカメラがあります、ここまっすぐ見ててください。はい、撮ります。終わりました」
静岡県の沼津市役所では11月、高齢層を中心に窓口が混み合い、待ち時間は最大30分になることもあるといいます。<70代女性>
「便利になるらしいですね、それ一つでもって」
<80代男性>
「12月2日以降、どうのこうのって話を聞きましてそれで保険証の代わりに使えるって、便利じゃないかなと」
申請が増えている理由は、12月2日に迫る紙やプラスチック製の「健康保険証」の新規発行の停止です。有効期限が残っている現在の保険証は最長で1年間使えますが、マイナンバーカードを保険証としても利用できる「マイナ保険証」への本格移行が始まります。
<沼津市役所市民福祉部 山下智子さん>
「マイナ保険証を意識して新しく作りたいという方はいらっしゃっている感じです。今すぐ作らなければいけないものではないので、ご自身の余裕のある時にまた作っていただいてマイナンバーカードを利用いただければと思います。」<薬局受付>
「マイナンバーカード、こちらに登録をお願いします」
静岡県三島市内の薬局では、夏前は1割程度だった「マイナ保険証」の利用者が今は全体の約3割を占めています。
<薬剤師>
「自動的に反映されるのはかなり楽になるかなと思います」
「マイナ保険証」は保険証の番号などを手入力する手間が省けて患者にとっても待ち時間が減るほか、過去に処方された薬の情報を記録できるメリットがあります。ただ、直近1か月以内のデータは見ることができないなど、現場では課題も感じています。
<あかり薬局管理薬剤師 藤岡賢三さん>
「今、本当に何を飲んでいるのかっていうのを知りたいのですが、どうしてもまだ電子処方箋とかいろんな他のシステムも関係してくるので、そのあたりが一本化されていけば患者さんにも持ってくる手間も減るのではないかな」保険証のマイナンバーカードへの紐づけは、医療機関や薬局の窓口に設置された顔認証付きカードリーダーのほか、セブン銀行ATM、マイナポータルでも手続きが可能です。
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